木を増やしたいと思ったとき、挿し木や接ぎ木以外の方法で確実に苗を得る手段として「取り木(とりき)」があります。特に「高取り木」と「低取り木」は、発根のさせ方や適応する植物によって使い分けるべき技法です。この記事ではそれぞれの定義・手順・メリット・デメリット・使い分けのポイントを丁寧に比較し、あなたの園芸スキルをワンランク上げる最新情報を紹介します。
目次
高取り木 低取り木 違いを理解するための基本概念
高取り木と低取り木はどちらも取り木法の一種であり、枝や幹に発根を促してから親株と切り離して新しい株を得る技術です。ですが「発根させる位置」「枝の使い方」「植物への負荷」など複数の違いがあります。これらの基本概念を押さえることで、どちらを選ぶべきか判断できるようになります。
取り木(とり木)の定義と種類
取り木とは、親株の幹や枝に発根操作を行い、その部分から根が出たら切り離して苗木にする無性繁殖法の一つです。挿し木と異なり、親株に養分が供給される状態で発根させるため、成功率が高まります。主な種類として高取り法(空中取り木法)、圧条法(土中取り木法/伏せ木法)、盛り土法などがあります。
高取り木の定義
高取り木(高取り法)は、幹または枝の途中を空中で傷つけ、そこに水苔などを巻いて包み、発根させる方法です。この方法は環状剥皮と呼ばれる技術を伴い、幹が太い植物や形を保ちたい木で使われやすいです。地面に枝を下ろしたり土を盛る方法よりも株姿を崩しにくいという特徴があります。
低取り木の定義
低取り木(圧条法や伏せ木法を含む)は、枝を地面に接触させたり埋めたりして発根を促す方法を指します。地表近くの枝を土中または土寄せした状態にして根が出るまで待つので、発根までの過程において環境の影響を受けやすくなりますが、道具が少なく手軽にできるメリットがあります。
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高取り木 低取り木 違いの手順と実践方法
理論だけでなく実践を理解することで成功率が大きく変わります。ここでは高取り木と低取り木それぞれで、準備から発根までの手順、使う道具、適期などを比較してみます。
高取り木の手順と必要な道具
高取り木を行うには、まず適した枝を選ぶことが重要です。太さが1〜3センチ程度で、成熟した枝が望ましいです。そして刀やナイフで枝の幅2〜数センチの環状剥皮処理を行い、その部分に湿らせた水苔などを巻き付け、外側をビニールやラップ等で包みます。その後乾燥しないように管理し、新しい根が確認できれば切断して植え付けます。道具としては水苔、鋭利なナイフ、包むための素材などがあれば十分です。
低取り木の手順と必要な道具
低取り木の方法では、まず地表に接近した枝を選びます。枝を地面に誘引したり土を盛って覆ったりして埋め、その部分の節などから発根させます。固定するためのU字針金や紐、土または盛り土用の土質が緩やかで発根を妨げないものが求められます。発根までの期間は環境次第で数週間から数ヶ月かかることもあります。道具は地面固定具、水やり用の道具などが中心です。
発根までの期間と適期比較
高取り木は発根までに数週間から数ヶ月かかります。樹種によっては半年以上かかる場合もあります。温かく湿度の高い環境が有利です。一般には春から初夏、または活動期が始まったばかりの時期が適しています。低取り木も同様に活動期が良いですが、地温や土壌湿度の影響を受けやすいため、春の地温上昇期や梅雨の始め頃が狙い目です。両者とも寒さや乾燥には弱いため、発根発見まで保護が必要です。
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高取り木 低取り木 違いのメリットとデメリット比較
どちらの方法にも長所と短所があり、目的や樹種、環境によって相性があります。以下の表で比較することで、自分の状況に合った方法を選びやすくなります。
| 比較項目 | 高取り木の長所 | 低取り木の長所 | 高取り木の短所 | 低取り木の短所 |
|---|---|---|---|---|
| 樹形の保持 | 親株の上部の状態をそのまま残せて、株姿を整えやすい。 | 地面に接近しているため、定植後に地表管理がしやすい。 | 発根部分の重量があり、風雨で損傷しやすい。 | 株姿が地につくために見た目に影響することがある。 |
| 道具・手間 | 傷つけ、巻きつけ、包むなどの工程がやや複雑。 | 比較的簡単に準備でき、道具が少なくて済む。 | 水苔の乾燥に注意が必要、包む資材で覆う工夫がいる。 | 地面の湿度・土壌条件に左右され、腐敗や過湿のリスクがある。 |
| 成功率 | 親株との連通があるため養分補給がされ、成功率が高い。 | 枝元からの発根が比較的確実な樹種では成功しやすい。 | 乾燥や温度変化に敏感で、うまく管理しないと失敗する。 | 発根が遅く、土中の病害虫の影響を受けやすい。 |
| 適応する樹種 | 幹や枝が太く、挿し木が難しい樹木に向く。 | 地上に近い枝が多い「ヒコバエ」が出る樹木や地際から枝が分岐している種類に適する。 | 太さや樹皮のタイプにより難易度が変わる。 | 特定の土質や環境が不適切な場合失敗率が上がる。 |
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高取り木 低取り木 違いの使い分け術と応用例
どの方法を使うかは、目的・樹形・環境・樹種によって決まります。次に応用例とともに使い分けの具体的なポイントをご紹介します。
性状に応じた使い分けのポイント
まず、樹形を保ちたいかどうかを考えることが大切です。鉢植えや盆栽のように形が重要な場合や、主幹を曲げて仕立てたい場合は高取り木が適しています。一方で株全体から新しい個体を増やしたい、庭や生垣で費用対効果を重視したいケースでは低取り木が有効です。
樹種別の適性例
例えば硬く木質化した枝を持つ庭木(サクラ、カエデ、キンモクセイなど)は高取り木が向いています。樹皮が厚く、挿し木が難しい木も発根が得やすいです。逆に地際に枝が多く出るツツジやユキヤナギ、クランベリーなどは低取り木で効率よく増やせます。匍匐性の植物やつる性のものでは低取り木が適することが多いです。
環境・場所・気候を考えた判断基準
発根を促すためには温度・湿度が鍵です。高取り木は空中で行うため空気の流れや光量が影響しますが、被覆材で湿度を保てれば良好です。低取り木は土壌の水はけや地温が重要で、湿りすぎると根腐れします。寒冷地では春の暖かくなり始めた時期に着手し、暑い地域では乾燥しないよう半日陰に保護するなど工夫が必要です。
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高取り木 低取り木 違いを確認できる実際の注意点と対策
成功率を高めるためには細かな注意点が不可欠です。ここではよくある失敗例とその対策、管理のコツを挙げます。
よくある失敗とその原因
発根しない、腐る、切断後に生育が悪くなるなどがよくある失敗です。原因としては乾燥、湿度過多、通気性不足、適期外での作業、選ぶ枝が弱いなどが挙げられます。特に高取り木では水苔が乾きすぎたり包む素材が緩かったりすると発根が遅れたり失敗したりします。低取り木では土の中の水はけや病害虫の侵入に注意が必要です。
対策と成功率を上げるコツ
枝を選ぶ際は健康的で太さ・成熟度があるものを選びます。発根部を保湿するために水苔などをしっかり湿らせて使い、包む素材は湿度を維持できるものを重ねて使うと効果的です。発根後の切断後は新しい株を直射日光から守り、半日陰で湿度を保つ環境で養育します。土中で行う低取り木では土質の選定や排水対策が成功の鍵になります。
管理期間とその間のケア
発根が確認できるまでの期間は樹種によって異なります。早いものでは数週間、遅いものでは数か月~一年近くかかることがあります。期間中は包んだ部分が乾燥しないようにし、包みの外側を動物や風などから保護し、必要に応じて日中の直射日光を避けます。低取り木の場合、土中に埋めた部分が過湿にならないよう風通しと水はけを確保することが重要です。
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まとめ
高取り木と低取り木はどちらも取り木法でありながら、発根させる位置、道具・手間、樹形保持、適応する樹種などにおいて明確な違いがあります。樹木が比較的太くて形を崩したくない場合は高取り木を、枝が地面近くから多くあり増殖を重視したい場合は低取り木を選ぶと良いでしょう。
成功率を高めるには、それぞれの手順を正確に行い、発根までの期間中の管理に手を抜かないことが大切です。湿度管理、選枝、包覆の方法など細かなポイントに気を配れば、どちらの方法でも発根を促し、新しい苗を育てることが可能です。
あなたの庭や盆栽に合った取り木の方法を理解し、使い分けることで、植物繁殖の幅が広がります。ぜひ条件に応じて使いこなし、豊かなガーデニングライフを送りましょう。
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